少し前に、AIに投資信託の相談をしたことがあります。
ちゃんと調べてくれて、説明も丁寧で、読んでいる間は「なるほどなあ」の連続でした。相談してよかった、と思いながら画面を閉じかけて、ふと気づいたんです。
……で、結局どれがええの?
読み返してみたら、どこにも書いていませんでした。あれだけ長い返事やったのに、です。
「答えてるようで答えてない」返事がある
AIの返事には「丁寧に答えているようで、肝心なことには答えていない」パターンがあります。
「できません」とはっきり断られる話は前に書きました(末尾に貼っておきます)。あれは分かりやすいんです、断られてるので。
今回のはもっと気づきにくい。断られていないんです。むしろ丁寧に、たっぷり説明してくれる。選択肢の特徴、メリットとデメリット、考え方の整理。ぜんぶ書いてある。書いてないのは「で、あなたはどれがいいと思う?」への答えだけ。

読み終わった時の満足感だけあって、決まってることが何もない。
お金の相談ほど、はぐらかされる
面白いのは、なんでもかんでもはぐらかされるわけじゃない、というところです。
「夕飯どっちがいい?」みたいな相談には、AIは割と気軽に「こっちがいいと思います」と言ってきます。なのに投資みたいな話になると、急に「最終的にはご自身の状況に合わせて」の壁が出てくる。
これ、後から考えて納得したんですが、たぶん私に実害が出るかどうかで線が引かれています。AIのすすめた通りに買って損をした、という流れにならないように、お金や健康の話では「決めさせない」返事になるよう作られているらしいんです。
だから、あの丁寧なはぐらかしは、手抜きではなくてわざとです。無責任に「これ買っときましょ」と言うAIの方が、たぶんずっと危ない。頭では分かります。
分かるんですけど、相談した側には「相談に乗ってもらった気持ち」だけが残るんですよね。中身を持って帰った気になって、実は何も決まっていない。ここが今回の罠でした。
見抜き方は「で、結局?」を読み返すこと
見抜き方は単純で、返事を読み終わったあとに「で、結局どうしたらいいって書いてあった?」を自分に聞くことです。
一言で答えられなかったら、それは「答えてるようで答えてない」返事です。情報はもらえたけど、決めるとこだけ置いてかれてる。
試しに「あなたが私やったらどうする?」と聞き直したこともあります。返ってきたのは、やっぱり丁寧な整理でした。この壁は、聞き方を変えても越えられない場所にあるみたいです。
ほんで、どう受け取ることにしたか
今は、こう思うことにしています。AIからもらえるのは判断の材料まで。決めるのは私。
そう割り切ってからは、むしろ使いやすくなりました。「決めて」と期待して裏切られるより、「比較の整理をして」と最初から材料だけ頼む方が、お互い変な期待をしなくて済みます。
ていうか、考えてみたら「AIが決めてくれる」方が怖いんですよね。損した時に恨む相手が画面の中にしかいないので。
……と、きれいにまとめましたけど。
正直に言うと、あの日の私は「で、結局どれ?」の答えが欲しかったんです。今もちょっと欲しい。決めるのが面倒やから相談してるのに、最後の一歩だけ毎回こっちに返ってくる。

いちばん面倒なところだけ、私の仕事として残るんよな。
まあ、そこがAIに取られへん仕事や、と思うことにします。……そう思うことにしてるだけかもしれませんけど。
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