Wi-Fiが遅い時にAIへ聞く順番|「遅い部屋」で測ったら一番速かった

使いこなしのコツ

職場の Wi-Fi が、隣の部屋に行くと遅くなります。

小さい事務所で、なぜか私が Wi-Fi 係です。光回線の箱の先に、バッファローのルーターが1台。自分の席ではふつうに使えるのに、隣の部屋やトイレに入ると動画が止まる。もう何年もそうで、「まあ安いやつやしな」で済ませてきました。

で、思ったんです。これ、AI に相談したら「買い替えましょう」って言われて終わりちゃうかなと。

AI は買い替えを勧めるのが得意です。聞き方が雑だと、だいたい一番高い機種の名前が返ってきます。それがいやで、先に「聞いてほしい順番」を全部書いたプロンプトを作って、そのまま投げてみました。

結論を先に書くと、AI は買い替えを勧めてきませんでした。代わりに、こっちが言ってないことを1行、勝手に足していました。

なんで「順番」を先に渡すのか

Wi-Fi が遅い原因って、だいたい決まった順番で確かめていくものらしいです(この「一つずつ確かめて原因を絞る」のを、詳しい人は「切り分け」と呼ぶそうです)。

つながってるか → 何台つないでるか → どこで弱いか → ルーターが古いか。この順番を知ってる人に聞くと、最初の2〜3問で大体の見当がつく。知らない人(私)が AI に「Wi-Fi 遅いんやけど」とだけ言うと、AI も順番を飛ばして一番わかりやすい答え(買い替え)に落ち着きます。

なので、順番ごと渡す。あと、やってほしくないことも先に書く。

  • 質問は1回に1つ
  • 型番から分からないことは「分かりません」と言う
  • 動画がふつうに見られる速度が出てるなら、「もっと速くなるから」だけで買い替えを勧めない

この最後の1行が、今回いちばん効きました。

使ったプロンプト(そのままコピペ可)

家の Wi-Fi の調子が悪いので、原因の切り分けを手伝ってください。私は機器に詳しくありません。

進め方のお願いです。
- 質問は1回に1つだけにしてください。私が答えたら次に進んでください。
- 写真を送れる所は「写真を送ってください」と言ってください(ルーターの裏や底のラベルなど)。
- 型番から分からない事は、推測で埋めずに「分かりません」と言ってください。
- 動画が普通に見られるくらいの速度が出ているなら、「もっと速くなるから」という理由だけで買い替えを勧めないでください。

聞いてほしい順番です。
1. 困っている症状(繋がらない/遅い/途中で切れる)と、家のどこで起きるか
2. いつ頃からか。時間帯で変わるか(夜だけ遅い、など)。その頃に何か変えたか(機器を買った、家具を動かした、契約を変えた)
3. ルーターのすぐ横で、スマホの速度測定をした結果(数字。画面の写真でも可)
4. 困っている場所で、同じスマホで速度測定をした結果と、その時の Wi-Fi マークの本数(画面の写真でも可)
5. 回線の機械(壁から線が来ている箱)とルーターの、両方の電源を入れ直したか。まだなら一度入れ直して、3と4をもう一度測った結果
6. どの機器で起きるか(家の機器ぜんぶか、特定の1台だけか)。1台だけなら、その機器の種類と何年くらい使っているか
7. 症状が出ている時、その機器は本当に Wi-Fi に繋がっているか(画面の上に扇形のマークが出ているか。スマホなら「4G」「5G」の表示になっていないか)
8. 同じ場所で、別の機器(ほかの人のスマホやパソコン)は普通に使えるか
9. Wi-Fi に繋いでいる機器の台数(スマホ・パソコン・テレビ・家電など、だいたいで)
10. ルーターの型番と、何年くらい使っているか(ラベルの写真でも可)
11. 線(LAN ケーブル)で繋いでいる機器があれば、そちらも同じように切れるか。それとも線の方は繋がったままか

最後に、次の5つのどれに当たるかを1つ選んで、理由を2〜3行で教えてください。
- A. 設定や置き場所の見直しで直りそう
- B. 中継器を足す、または線を引くのが良さそう(建物が分かれている、離れた部屋まで届かせたいなど、距離がはっきり原因の時だけ)
- C. ルーターの買い替えが良さそう
- D. ルーターではなく、スマホやパソコンの側の問題に見える(そもそも Wi-Fi に繋がっていない場合も含む)
- E. 家の中ではなく、回線や契約の側の問題に見える

答える時は、「分かった事実」と「そこから考えられること」を分けて書いてください。買い替えで直るかどうかは回線の状態にもよるので、言い切らずに「直る可能性がある」という言い方にしてください。

買い替えを勧める場合は、いちばん高い機種ではなく、家の広さと台数に足りる中くらいの価格帯を基準にしてください。具体的な機種名や値段は、確かでなければ挙げないでください。

あわせて、「ここは確かめられていない」という点があれば、それも書いてください。

11問あります。長いです。でも全部答える必要はなくて、途中で「ここまでで切り分けて」と言えば AI はそこで一回まとめてくれました(後述)。

実際にやってみた

ブラウザの Claude で、新しいチャットを開いて貼りました。

1問目。症状とどこで起きるか。「隣の部屋に行くと遅くなって動画が止まる」と答えました。

2問目。いつからか、時間帯で変わるか、何か変えたか。「特に何も変えてない。場所が変わると遅くなる」と。

3問目で、速度測定をしろと言われます。「ブラウザで『スピードテスト』と検索して、出てきたページの測定ボタンを押すだけです」と、やり方まで AI が書いてくれました。ここは助かりました。測り方を知らない人が詰まるのはここなので。

ルーターの横で測ると、下り 153.8Mbps(数字が大きいほど速い。動画なら 20 もあれば足ります)。

4問目。「困ってる場所で、同じスマホで測ってください」。

隣の部屋に移動して測りました。166.2Mbps。

yuki
yuki

え、こっちの方が速いやん

ついでにトイレでも測りました。175.8Mbps。一番遠いトイレが一番速い。

いつも遅い場所で測ったら、全部ルーターの横より速かった。これ、何年も「古いから遅い」と思ってた私は何やったんやろう。

AI の返し

数字をそのまま送ったら、AI はこう返してきました。

面白い結果ですね。遅いはずの部屋のほうが速い数字が出ています。

で、次に聞かれたのが「その時、画面のいちばん上は Wi-Fi のマークでしたか。4G や 5G になっていませんでしたか」。

これ、プロンプトの7番目に入れてた質問です。順番を飛ばして先に聞いてきた。測った時にスマホが Wi-Fi を掴まず携帯回線で測ってたら、この数字は Wi-Fi の数字じゃない。そこを先に疑ったわけです。私のスクショは画面の上が切れてて、AI には確認できませんでした。

5問目、6問目と進んで、「使ってる機器は MacBook Air と iPhone、どっちでも起きる」まで答えたところで、私の方が面倒になってきました。

「ここまでで切り分けて」

と送りました(打った後で、自分がいつの間にか「切り分け」なんて言葉を使ってることに気づきました)。11問のうち7問目で打ち切り。AI はそれで一回まとめてくれました。

AI の結論(要約)

判定は「A. 設定や置き場所の見直しで直りそう」。

理由は、離れた場所でも 175Mbps 出てるから距離で電波が足りてないとは言えない(だから電波を延ばす中継器や買い替えじゃない)、機器2台とも同じだから端末のせいでもない、回線速度も十分だから回線のせいでもない、残るのは移動した時の掴み直しとか一時的な落ち込み、というもの。

そして最後に、

ルーターの買い替えは、現時点ではお勧めしません。今の速度で動画は問題なく見られるはずの水準です。

買い替えを勧めてこなかった。「もっと速くなるからだけで勧めるな」と書いた1行が効いたのか、数字を見てそう判断したのか、どっちかは分かりません。でも、聞き方が雑だった時の私の予想(高い機種の名前が返ってくる)は外れました。

それと、「確かめられていないこと」を5つ、自分から挙げてきました。

  • 症状が出てる最中の数字を取れてない(これが一番大きい穴です、と書いてあった)
  • Wi-Fi マークの本数が未確認
  • つないでる機器の台数が未確認
  • ルーターの型番と使用年数が未確認
  • 有線でつないでる機器の有無が未確認

後ろの3つは、私が7問目で打ち切ったせいで聞けてない質問です。それを「聞いてない」と正直に並べてきた。プロンプトの最後に「確かめられていない点があればそれも書いて」と入れといたのが、ここで出てきました。

yuki
yuki

途中でやめた分、ちゃんと「聞いてへん」って言うんや

気になった1行

気になった1行があります。

AI のまとめの「分かった事実」の欄に、こう書いてありました。

回線の機械とルーターの再起動は済んでいるが、症状は続いている。

私、そんなこと言ってません。

5問目で「電源を入れ直したことはありますか」と聞かれて、「ある!」とだけ答えました。それだけ。「入れ直したけど直らなかった」とは言ってない。入れ直した後に症状が出たかどうかなんて、正直覚えてない。

AI はそれを「再起動は試し済み、それでも症状は変わらなかった、ということで進めます」と自分で補って、そのまま「事実」の欄に入れた。

意地悪で言ってるんじゃなくて、ここが地味に怖い。推測の欄じゃなくて事実の欄に入ってる。読み返した時、自分でも「あれ、言うたっけ」ってなりました。言ってない。

もう1個。私は3回測ったのに、AI は「測定した2回」と数えてました。たぶんスクショの1枚が渡ってなかったか、トイレと奥の部屋を取り違えたか。数字そのものは合ってるけど、どこで測ったかが AI の中でズレてる。

「事実と推測を分けて書いて」と頼んでも、AI が「事実」と呼んでるものの中に、AI が勝手に埋めた分が混ざることがある。これは Wi-Fi に限らず、AI に何か相談する時ぜんぶに言えることやと思います。

AIの「調べました」が嘘のことがある|検索してないサインの見抜き方
AIに調べ物を頼むと、「調べました」「確認しました」と返ってきます。私はこれを、ずっとそのまま信じていました。調べたって言うてるんやから、調べたんやろと。でも最近、気づいてしまいました。あの「調べました」、実際には調べていないことがあります...

私の見立て(AI と違う)

AI は A(置き場所)と言いましたが、私はちょっと違う読みをしてます。

根っこの光回線そのものが弱いとは思ってない。でも「動画の配信元から職場の回線までの途中」が、時間帯で混んでる可能性はある。今日は昼過ぎに測って、奥でも速かった。遅いと感じるのはだいたい別の時間帯です。

それと、バッファローのルーターが原因の可能性も、私はまだ捨ててません。

あとで自分でルーターの管理画面を開いてみました。画面の上に出てた型番が WSR-1800AX4S。Wi-Fi 6 対応の、2021年頃の機種。つないでる機器は iPhone と MacBook Air の2台だけ、ファームウェア(ルーターの中のソフト)も管理画面で見る限り最新。

「あれ、思ってたより新しいやん。じゃあ古いから遅いは違うな」と、一回安心しました。

で、念のため棚の実機を見に行ったら、本体に「1166」と書いてある。別の型番です。

職場にバッファローは1台しかない、はず。じゃあさっきの管理画面は何やったのか。家のルーターを間違えて遠くから見てた? アプリの表示が古いまま? 30分くらい、そっちを疑ってました。

違いました。

Mac からルーターに直接名前を聞く操作をしたら(ブラウザを通さずに聞く方法があります)、やっぱり WSR-1800AX4S と返ってくる。しかも職場の中にバッファローはそれ1台しか見えない。棚の 1166 は、ネットワークに居ない。

探したら、ありました。1800AX4S の本体が、別の場所に。

棚の 1166 は、お下がりのお下がりでした。家で使ってたのを職場に持ってきて、その後さらに新しいのに入れ替えた。で、古い方は捨てずに、別の用途のカメラ専用の小さなネットワークに格下げして使ってた。インターネットには繋がってない。だから Mac からは見えない。

自分で格下げしたのに、忘れてました。写真まで撮って「これが遅い原因かも」と思ってた箱は、そもそも私のスマホも Mac も繋がってない別の網でした。

yuki
yuki

写真まで撮った箱、自分で格下げしたやつやった

AI は「ルーターの型番と使用年数が未確認です」と正直に書いてました。私はそれを確かめに行って、違う箱を確かめた。AI は自分の抜けを自分で書いてくれたけど、私の勘違いは誰も書いてくれません。もしあの箱の写真を AI に送ってたら、AI は「2020年頃の普及機ですね、買い替えで改善の可能性があります」くらいは言ったと思います。嘘じゃない。送った写真が違うだけで。

本物の 1800AX4S は、私の席から1mの金属のキャビネットの中にいました。縦に置いてあって、隣には光回線の機械と、回線が止まった時用の予備の箱。で、「遅い奥の部屋」は、そこから見ると扉の裏で、しかも金属のロッカーの背中側に当たる位置です。

AI の結論 A が「置き場所の見直し」やったのを思い出して、ちょっと黙りました。遠いんじゃなくて、間に金属が2枚ある。

ついでに型番で「遅い」「切れる」を検索もしてみました。この機種で場所によって遅くなるという話は見つからず、出てきたのはメーカーの「ファームウェア自動更新のお知らせ」が何件か。更新中は2〜3分通信が切れるそうです。時々切れる人はこれかもしれないけど、私の「隣の部屋だけ遅い」とは型が違う。AI には「型番から分からないことは分からないと言って」と頼んでたけど、「型番で分かることは調べて」とは頼んでなかった。次はそれも入れます。

で、どうするか

AI の次の指示は「動画が止まった、その瞬間に測ってください。画面のいちばん上まで入れて」でした。15秒で済むから、と。

yuki
yuki

止まった瞬間にスピードテスト開く余裕、あるかなあ

正直、思ってるタイミングで測るのは難しいと思ってます。止まった時は止まった動画を見てる。でも、やってみます。取れたらこの記事の下に足します。取れなかったら、取れなかったと書きます。

ついでに、別の AI に「速度は出てるのに、部屋を移動すると止まるのは一般的に何が原因か」と聞いてみました。返ってきた中で一番心当たりがあったのが、「2.4GHz と 5GHz の電波を1つの名前にまとめてると、移動した瞬間に切り替わって数秒切れることがある」というやつ。扉と金属のロッカーを越える瞬間、ちょうどそれが起きてそうな気がします。

最近のルーターは電波を1つの名前にまとめるのが普通で、私も接続先が複数あるのが面倒なので、家も職場も全部それにしてます。便利やけど、切り替わる瞬間は向こう任せ。家でも似たことが起きてるのは、たぶんそれ。確かめるなら、ルーターの設定で2つの電波を別の名前に分けて、スマホを片方だけに繋ぐ。これはそのうちやります。

もし買い替えることになったら、高いのは買いません。高くても安くても、壊れる時は壊れる。実売1万円くらいの平均的なものにしておけば、次に壊れた時のダメージが小さい。これは AI じゃなくて、何台か見てきた自分の感覚です。

使う時の注意(3つだけ)

1. スクショは画面のいちばん上まで入れる。 Wi-Fi のマークと、4G/5G になってないかを AI が見ます。私は切れてて見てもらえませんでした。

2. 「ある」「やった」みたいな短い返事の後は、AI のまとめを読み返す。 言ってないことが事実欄に入ることがあります。

3. 途中で打ち切っていい。 「ここまでで切り分けて」で一回まとめてくれます。その代わり、聞けてない項目は「確かめられていない」に出てくるので、そこは読む。

買い替えを勧められなかったのは良かった。でも原因は分かってない。遅い場所で測ったら速かった、という事実が1個増えただけです。

終わり。

*この記事は、Wi-Fi の切り分けを AI(Claude)に相談した実際のやり取りをもとに書いています。*

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