前に「AIは話し方が伝染する」という記事を書きました。私が関西弁で話しかけてると、AIの返事にも「やね」が混ざってくる、という話です。
あれで終わりやと思ってたんですけど、続きがありました。
返事だけやなくて、下書きにまで混ざってた
ある日、後輩にちょっとしたお願いをするメッセージを、AIに下書きしてもらいました。仕事の引き継ぎ的なやつで、自分で打つと長くなりそうやったので。
出てきた文章は、ちゃんとしてました。要件が整理されてて、言い方も柔らかい。「これでええやん」と思ってコピーしかけて、最後の一行で手が止まりました。
「〜〜、頼んだで。」

いや、後輩に「頼んだで」は送られへんて。
私、この下書きを頼む時、関西弁で頼んでたんです。「後輩に○○お願いするメッセージ、ええ感じに書いといて」みたいに。そしたらAIは、私への返事だけやなくて、私が別の人に送る文章まで、私の口調で書いてきた。
「私に合わせてる」だけやと思ってた
前の記事で、AIは話しかける人のトーンに寄せてくる、と書きました。それは今も合ってると思います。
ただ、あの時の私は「AIが私に合わせて返事してくれてる」と受け取ってました。相手が私やから、私の口調になる。それなら別に困らへん。
今回で分かったのは、AIは「誰に向けた文章か」で口調を切り替えてるわけじゃない、ということです。切り替えてるのは「今この場で、どんな言葉が飛び交ってるか」。私が関西弁で話しかけてる場なら、その場で作られる文章は全部、関西弁寄りになる。宛先が後輩でも、取引先でも。
AIは私の話し方を覚えてるんじゃなくて、その場の空気で書いてる。だから、その場の空気が関西弁やったら、よそ行きの文章にまで漏れる。

私の口癖、私より先に外に出ていこうとしてた。
混ざるのは方言だけやない
これ、関西弁やから気づけただけで、たぶんもっと地味なやつも混ざってます。
たとえば私は、AIに頼み事する時に「〜しといて」「〜でええよ」をよく使います。そういう、ちょっとゆるい言い回し。AIに書いてもらった下書きを読み返すと、「〜しておいてください」の代わりに「〜しといてもらえたら」みたいな、私の気楽さが薄く乗ってることがあります。
関西弁は目立つので止められる。でも「気楽さ」は目立たへんので、そのまま送ってしまう。上司宛てにその温度で送ってたら、と思うとちょっと怖い。
人に送る文章を頼む時に添える一言
対策は地味です。頼む時に、相手と口調を一言添える。
「後輩宛て。敬体で、標準語で。」
これだけ。頼み方そのものは関西弁のままでかまいません。「後輩に○○お願いするメッセージ書いといて。後輩宛てで、敬体で標準語な」で通じます。
ポイントは「誰宛てか」と「どの口調か」を、AIに推測させずに渡すことです。AIは黙ってると、その場の空気で決めます。空気が私の口調なら、私の口調で書く。だから空気に任せず、言葉で指定する。
てか、考えてみたら人間にも同じことしてますよね。「これ、部長に送るやつやから、ちょっと固めで頼むわ」って。AIにも同じ一言が要るだけでした。
送る前の1行チェック
添え忘れた時のために、もう一個。送る前に、最後の一行だけ読む。
今回崩れてたのは、締めの一言でした。本文はきっちり書いてるのに、最後だけ「頼んだで」で気が抜ける。人間でも、締めの一言に地が出ますよね。あれと同じ。
全文を読み直す時間がなくても、最後の一行だけは見る。そこが敬体なら、だいたい大丈夫です。
自分の口癖が、外に出ていく話
前の記事では「AIが私の鏡になりすぎてないか、たまにチェックする」と書きました。
今回で一個足しました。鏡になった AI が、私の代わりに外に手紙を書く時、その鏡はそのまま外に向く。私の口癖が、私を通さずに人に届く。
……ちょっと大げさに書きましたけど、要は「後輩に『頼んだで』を送りかけた」だけの話です。

でも最後の一行、読んでなかったら送ってたと思う。
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