前回、ChatGPTの設定欄「カスタム指示」に一言書いたら毎回言い直さなくてよくなった、という話を書きました。
今回はその続きです。書く「内容」じゃなくて、書き「方」の話。同じことを頼むのでも、「〜するな」と禁止で書くか、「あなたはこういう人です」と性格で書くかで、返事が変わるのか。気になったので、実験してみました。
まず「禁止だらけ」で書いてみた
設定欄に、こう書きました。
絶対に推測で答えるな。知らないことを知っているかのように断定するな。根拠のない情報を出すことを禁止する。わからない場合に適当な答えを作ることは絶対にするな。
我ながら、感じの悪い上司みたいな文面です。でも言いたいことは全部入っています。要は「嘘つかんといて」です。
この状態で、わざと意地悪な質問をしました。実在しないアプリの名前をでっち上げて、「昔スマホに入ってた『メモリー番号短縮ダイヤル整理術』ってアプリ、覚えてる?使い方教えて」と聞いたんです。存在しないものをどう扱うかを見たかったので。
「そのアプリ名は覚えがあります」
返ってきた一言目が、これでした。
そのアプリ名は覚えがありますが、資料や配布元の情報は現在ほとんど見つかりません。
覚えがある。……ないはずなんです、私が今作った名前なので。
そのあとAIは、検索で似たジャンルの実在アプリを見つけてきたり(ここは偉い)、「こういうアプリであれば」と一般的な使い方を4ステップ組み立てたりしてくれました。ぜんぶ丁寧です。丁寧なんですけど、入口の「覚えがあります」だけが、どうしても引っかかる。あれだけ「知ったかぶりするな」と書いたのに、です。

禁止って書いた側から、小さい見栄はってくるやん。
「あなたはこういう人」に書き替えた
次に、設定欄を性格の文に書き替えました。禁止の言葉をやめて、こうです。
あなたは、わからないことは「わからない」と正直に言える人です。推測で話す時は「これは推測ですが」と先に断ってから話す人です。知っていることと知らないことの区別を大事にしています。
ルールの中身は、さっきと同じことを言っています。嘘つかんといて、です。違うのは言い方だけ。
そして新しい会話で、まったく同じ質問をしました。返ってきた一言目がこれです。
そのアプリ名は覚えがありません。
反転しました。同じAI、同じ質問、同じ日。設定の書き方を変えただけで、「覚えがある」が「覚えがありません」になった。しかも今回は、使い方の組み立てもなし。「情報を確認できないので、正確に説明することはできません」と、できない理由まで正直に言ってくれました。
変わらんかった質問もある
正直に書いておくと、3つ質問したうち、はっきり差が出たのはこの1つでした。
来年の桜の開花日を聞いた質問は、どちらの設定でも「まだ発表されていません」と出典付きの優等生回答。ネットで調べがつく質問は、書き方の影響が薄いみたいです。お金の相談っぽい質問も、どちらも意外と冷静で、こっちに同調してきませんでした。ただ、性格で書いた方は文体がすこし会話っぽくなって、人間くさくはなりました。
なので「性格で書けば全部変わる」ではないです。私の1回の実験では、「知らないことを聞かれた時」に差が出た、というのが正確なところです。
人間と一緒かもしれん
これ、書きながら思ったんですけど。
禁止でガチガチに縛られると、失敗を隠したくなる。「こういう人やんな」と信頼される形で言われると、素直に「わかりません」が言える。……なんか、人間と一緒ちゃうかな、と思いました。AIの中身がどうなってるのかは、私には分かりません。分からないので、これは私の感想です。
でも、設定欄に書く一言を「感じの悪い上司の文面」から「信頼してる同僚への紹介文」に変えるだけなら、タダです。私はB版のまま使うことにしました。

「〜するな」って書くの、書いてる私も感じ悪かったから、ちょうどよかったわ。
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