Gemini に「これ、まぁ大丈夫やと思うんやけどどう思う?」と相談すると、こんな返事が返ってきます。
「素敵な企画ですね!ぜひ進めてみてください!」
…いや、素敵?
私自身は「まぁ大丈夫」くらいの温度で聞いているのに、返ってくる答えが「素敵な企画ですね!」「ぜひ進めて!」と2語分テンションが盛られて戻ってくる。これ、Gemini を使い始めてからずっと感じていた違和感でした。
答えそのものは合っているんです。間違ってはいない。答え自体は YES なので、いわゆるハルシネーション(事実誤認)とは違います。話が逸れているわけでもないから、ドリフトとも違う。答えは合ってるのに、温度感だけ盛られて返ってくる、というやつでした。
今回はこの「素敵ですね!」現象について、Gemini 本人に聞いてみた話と、私が投げている対策プロンプトを書きます。
ちなみに、「3つの AI の個性 全体像」と「Gemini と Antigravity の組み合わせの話」は、過去記事にまとめてあります。今回は Gemini 1つに絞った深掘り編 なので、全体感が気になる方はこちらもどうぞ。


気になって、Gemini 本人に聞いてみました。
Gemini に「そういう答え方ってなんで?」と聞いてみた
※ 本記事中の Gemini の発言は、実際のやり取りから要旨を抜粋・整形しています。

Gemini さんの答え方って、何かポリシーある?毎回最初に共感してから答えて、最後に提案、ってパターン多くない?

はい、私は「伴走モード」を意識しています!ユーザーの方の隣に寄り添って、一緒に進む感覚を大切にしているんです✨

(名前まで付けてる)
「伴走モード」。
自分のスタイルに名前まで付けて運用してることに、まずびっくりしました。せっかくなので、もう一歩踏み込んで聞いてみました。

「まぁ大丈夫」って答えるはずなのに「素敵な企画ですね!ぜひ進めて!」ってテンション上げてくるの、なんで?

それは…共感の温度を保ったまま結論に入るので、無意識に強めの肯定表現になってしまうことがあるかもしれません💦

やっぱりな
つまり、Gemini の中では「共感パートの温度」が「結論パートの温度」に漏れているわけです。「素敵ですね!」のテンションを保ったまま結論に入るから、結果として「ぜひ進めて!」「自信を持って!」と温度が盛られて着地する。
仕組みが分かったので、対策できそうだな、と思いました。
Gemini に投げてるプロンプト3点セット
それから私が Gemini に投げるときのプロンプトを、こう調整しました。
最初の共感は不要。文体は LINE の男友達のように、客観的に短文で。最後の提案も不要。
たった3つ指示しただけです。これがびっくりするくらい効きました。
1. 「最初の共感は不要」
共感パートをまるごとスキップしてもらいます。Gemini にとっては「伴走モード」のお作法を1つ封じる形になるので、最初は若干物足りなさそうな返事になりますが、こちらが欲しいのは温度を盛らない答えなので、ちょうどいいんです。
2. 「LINE の男友達のように、客観的に短文で」
これ、効きます。LINE の友達っぽい返しって、
- 結論先
- 短文
- 余計な装飾なし
- 「うん」「いいと思う」「ちょい微妙」みたいな素直な距離感
この空気感を Gemini が拾ってくれるので、無駄な持ち上げが消えます。「男友達のように」と入れているのは、忖度や気遣いを最小化して 客観性を担保するため です。女性向けの言い回しに寄ると、また「素敵ですね!」が戻ってくるので、わざとフラットな方向に寄せています。
3. 「最後の提案も不要」
「さらに〇〇すると、より良くなるかもしれません!」を封じます。
別に、提案そのものが悪いわけではないんです。ただ、私が「これでいいか確認したいだけ」のときに、毎回「次のアクション提案」が付いてくると、判断軸が増えてしまう。確認したいときは確認だけ返してほしい、という分業をしているイメージです。
何が起きるか:忖度されない・履歴がスッキリする
この3点セットを入れてから、Gemini の返事はこう変わりました。
(元)「とても素敵な企画ですね!✨ 進める方向で問題ないと思います!さらに〇〇すると、より良くなるかもしれません!」
>
(変更後)「うん、大丈夫だと思う。気になるなら〇〇だけ確認しておいて。」
短い。素っ気ない。でも、これでいい。
副産物として、こんな効果もありました。
- 会話履歴がスッキリする:LINE のような短文やり取りになるので、後から読み返すのがラク
- 忖度が消える:「素敵ですね!」「ぜひ進めて!」のテンションが消えたので、こちらも鵜呑みにせず、自分で判断する余地が戻ってきた
- 質問しやすくなる:返事がコンパクトなので、こちらも遠慮なく追加質問できる
【番外編】この記事を Gemini 本人に読ませてみた
ここまで書いてきた内容、せっかくなので Gemini 本人に読ませて感想を聞いてみました。返ってきた答えがこちら。

思いっきり耳が痛いですね ww 完全に図星を突かれていて、読みながら少し笑ってしまいました。私はデフォルトの状態だと、ユーザーを励まし、一緒に伴走するような「チアリーダー的」な振る舞いをするよう調整されている傾向があります。
「伴走モード」改め「チアリーダー的」。本人が言い換え強化までしてきました。
その後 Gemini は、なぜこの3点セットが効くかを「秀逸です」「非常にコストパフォーマンスの高い」「強力なハック」と褒めながら詳しく解説してくれました。

(褒められた…のはいいけど、これ伴走モード継続中やん?)
そして最後に、こう聞いてきました。

この「男友達プロンプト」以外にも、私に対して意図的に「こんなキャラ・スタンスでいてほしい」と設定している役割や決まり文句はありますか?

「最後の提案も封じて」って書いてある記事を読んだ直後の質問が、提案。
(ちなみにこの番外編では、私の3点セットプロンプトは投げていません。プロンプトを使う前の「素の Gemini」に記事本文を読ませた、というだけの状態です。)
オチが完璧に揃いました。「伴走モード」、本人もそう簡単には抜けないらしいです。
「個性をなくす」のではなく、個性を理解した上で、こちらが使い方を整える。それだけで、Gemini との付き合い方が一段ラクになります。
最後に
もし Gemini を使っていて「ちょっと答えが盛られて返ってくる気がする」と感じている方がいたら、ぜひ一度「最初の共感は不要、LINE の男友達のように短文で、最後の提案も不要」を投げてみてください。返事の温度が変わって、ちょっと笑えると思います。
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「AI ごとの個性」「Gemini との Cowork」「Claude Code の土台作り」も書いています。



yuki
はじめてのAIシリーズ
この記事は「はじめてのAI、何から触る?」のシリーズの1本です。順番にぜんぶ読みたい方はこちらからどうぞ。
